人の不幸を喜んでしまうのはなぜ?心理学の観点から理由を解説

今回は「どうして人の不幸を喜んでしまうのだろう?」といった疑問に答えていきます。
誰かがミスしたり失敗したのを見たとき、ちょっとホッとしたり、もしかしたら心の中で「ざまぁ」なんて思ったことありませんか?
いやいや、そんなことない!っていう人もいるかもしれませんが、実はこれ、ほとんどの人が無意識に経験している感情なんです。
でもどうしてこんな気持ちが生まれるのか、不思議に思いませんか?今日はこの「他人の不幸を喜ぶ気持ち」について、わかりやすく解説していきます。
・人は本能的に他人と自分を比較し、他人の不幸を見ることで優越感や安心感を得ようとする心理がある。
・他人の不幸を喜んでしまう気持ちは、特にライバルや羨ましいと思った相手に対して強く表れる。
どうして人の不幸が気になるの?

社会的比較理論とは?
まず、今回の一番のポイントは「社会的比較理論」という考え方です。
人間は自分の状況を他人と比べることで、安心感や自信を得たり、反対に不安を感じたりする傾向があります。
たとえば、テストの点数を他人と比べて「自分の方が上だ」と感じると少しうれしくなったり、「自分だけ失敗してる」と感じると落ち込んだりしますよね。
これが、無意識の「比較」の力なんです。
不幸を喜ぶ心理の背景
じゃあ、どうして「他人の不幸」が喜びに繋がるのか?これは、主に2つの理由があります。
1つ目は「優越感」です。他人が失敗しているのを見ると、「自分はこんなひどい目に遭っていないからマシだ」などと思うことで、相対的に自分が優れていると感じられます。
2つ目は「安心感」です。人は不安定な状況だと安心を求めます。他人の失敗を見たときに「自分はあの人よりも安全だ」と思うことで、不安が和らぐんですね。
相手の不幸が喜びに変わる理由

シャーデンフロイデの心理:なぜライバルに厳しい?
この「他人の不幸を喜ぶ気持ち」は、特にライバルや羨ましいと思っている相手に向けられることが多いと言われています。たとえば、会社の同僚が大きなプロジェクトに失敗したとき、「自分の方が仕事ができる」と感じてしまう。
こういう感情は、ドイツ語で「シャーデンフロイデ(Schadenfreude)」と呼ばれています。日本語では「他人の不幸を喜ぶ感情」と訳されますが、海外でも心理学的に研究されているテーマなんです。
進化心理学の観点:集団での生存本能?
さらに、進化心理学の観点から見ると、この感情には「生存本能」が関係していると言われています。
昔の人類は、群れを作って生きていました。その中で、自分が生き残るためにはライバルが少ない方が有利です。ライバルが失敗したり弱くなると、自分の地位が相対的に上がり、群れの中で立場が安定するという仕組みです。
つまり、他人の不幸を喜ぶ気持ちは、実は私たちの祖先が生き延びるために発達させた本能の一部だったとも考えられるのです。
どう付き合う?負の感情とうまく付き合う方法

嫉妬と自己肯定感の関係
「嫉妬」という感情もこの話に深く関係しています。
他人の成功を羨む「嫉妬」は、自分に自信がない時に強くなる感情です。その裏返しで、他人の不幸を喜ぶのも、実は自己肯定感の低さを関係があると言われています。
つまり、「人の不幸を喜ばない人」になるためには、自分自身に自信を持つことが大切だといえます。
現代社会での問題:SNSの影響
現代では、この感情がSNSでさらに強まっていると言われています。
SNSでは、他人の成功や幸せそうな瞬間が簡単に見られる一方で、失敗や不幸が話題になると多くの人が飛びついてしまう。
これも、私たちが常に「比較」をして、他人の不幸を喜んでいる証拠です。
まとめ
他人の不幸を喜ぶ感情は、人間の本能や心理から生まれる自然なものです。でも、それにばかりとらわれていると、自分の成長にブレーキをかけてしまうかもしれません。
そこで、日常生活で「他人と比べない」ことや、「自分の目標に集中する」ことを意識してみると、この感情とうまく付き合えるようになるかもしれませんね。