国のふしぎ

EUとは?意味や目的をわかりやすく解説!メリット・デメリットも

sabotennote

今回は、「EUって何?」という疑問に答えていきます。

みなさんは、ヨーロッパに旅行を行ったことはありますか?たとえば、日本からフランスに行くときはパスポートが必要ですが、一度フランスに入れば、そのままドイツやイタリアに国境検査なしで行けます。

実はこれ、ヨーロッパの国々が協力して作ったEU(ヨーロッパ連合)という仕組みのおかげなんです。

でも、「EUって具体的にどんな組織?」といった疑問を持つ人も多いはず。

そこで今回は、EUとは何か?どんなメリットや問題があるのか?をわかりやすく解説していきます!

内容のポイント

・ヨーロッパの国々が、経済や政治の安定を目指して協力する組織

国境検査なしの移動自由な貿易共通通貨ユーロなど経済的なメリットが大きい

移民問題経済格差ルールの違いが課題で、イギリスは不満から離脱した

EUとは?そもそもどんな組織?

EUは、ヨーロッパの国々が経済や政治で協力するために作られた組織です。正式名称はEuropean Union(ヨーロピアン・ユニオン)。現在、27ヵ国が加盟しています。(※2024年時点)

EUの目的は、ヨーロッパを平和で豊かにすること。第二次世界大戦の反省から、国同士の対立を減らし、経済を一つにして戦争を防ごうとしたのが始まりです。

EUのメリット

EUに入っていると、いろいろなメリットがあります。特に、自由な移動・経済の一体化・国際的な影響力の3つが大きなポイントです。

パスポートなしで自由に移動できる

EU加盟国の多くは「シェンゲン協定」に参加しており、国境検査なしで移動できます。

たとえば、日本からフランスに行くときはパスポートが必要ですが、一度フランスに入れば、そのままドイツやスペインへ行くのも自由!飛行機や電車で移動するだけでOKです。

これは観光客にとっても便利ですが、EU市民にとっては「国をまたいで働く・住む・学ぶ」ことが簡単になるという大きなメリットがあります。

経済の一体化でビジネスがしやすい

EUでは、「単一市場」という仕組みを作り、加盟国同士での貿易を自由にしています。

つまり、EU内では関税がかからず、商品やサービスの取引がスムーズにできます。

たとえば、

ドイツの車をフランスに輸出しても、関税がゼロ

イタリアの食品が自由に他国で販売できる

これによって、企業の活動がしやすくなり、消費者もより多くの選択肢を安く手に入れられるというメリットがあります。

ユーロで経済が安定しやすい!

EU加盟国のうち20ヵ国では、共通通貨「ユーロ」を使っています。

ユーロを使うことで、

両替なしで買い物や旅行ができる

物価が安定しやすく、経済が強くなる

というメリットがあります。たとえば、フランス人がスペインに行っても、同じ通貨で支払いができるので、とても便利です。

ただし、ユーロを導入していない国(デンマーク、ポーランド、スウェーデンなど)もあり、EU加盟国でも必ずしもユーロを使うわけではありません。

EUのデメリット

こんなに便利なEUですが、大きく3つの課題があります。

移民問題

EUでは人の移動が自由なので、経済的に豊かな国に移民が集まりやすくなります。

特に、ドイツやフランス、イタリア、スペインなどは戦争や貧困から逃れてきた移民を多く受け入れてきました。

ところが、移民の増加によって

「仕事を奪われるのでは?」と不安に思う人が増えた

社会保障(医療・福祉)の負担が増える

文化や宗教の違いによる衝突

などの問題も発生しています。

これが原因で、移民を厳しく制限しようとする動きが強まっている国もあります。

経済格差の問題

EUでは、加盟国同士が経済的に協力していますが、国ごとの経済力の違いが課題になっています。

例えば、

・ドイツやフランスなどの経済が強い国は「EUのためにほかの国を助けるのは負担が大きい」

・ギリシャやポルトガルなどの経済が弱い国は「EUに入っているのに生活が良くならない」

特に2010年代のギリシャ経済危機では、「EUに従わなければ支援が受けられない」という不満が強まりました。

EUを抜ける国も?

こうした不満が積み重なり、イギリスは2020年にEUを離脱(ブレグジット)しました。

主な理由は、

移民を自国のルールで管理したい

EUの決定に従いたくない

財政負担を減らしたい

EUを離れたことでイギリスは独自の政策が取れるようになりましたが、貿易や経済には影響があり、完全に成功したとは言い切れません。

今後、他の国もEUを抜けるのでは?という議論もありますが、現時点ではイギリス以外に離脱を決めた国はありません。

ロシアはEUに入っていない?

ところで、「ロシアはEUに入っていないの?」と思った人もいるかもしれません。

ロシアは、EUとは別にユーラシア経済連合(EAEU)という組織を作っています。加盟国はロシア、カザフスタン、ベラルーシ、アルメニア、キルギスの5ヵ国。

ただし、EUのように完全な単一市場ではなく、ロシアの影響が強いことが特徴です。

まとめ

というわけで、EUはヨーロッパの国々が協力して経済や安全を守るために作られた組織でした。

・シェンゲン協定に加盟していれば国境検査なしで移動OK

・単一市場で貿易がしやすい

・ユーロが使える国も多い

・でも、移民の問題などの課題もある

今後、EUがどう変わっていくのかも注目ですね!それでは、また次回の解説でお会いしましょう!

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こんにちは!さぼてんです。

中高生向けに、科学や地政学、心理学などに関連する「日常のふしぎ」をわかりやすく解説するブログを運営しています。

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