なぜ地球から飛ばされないの?遠心力と引力の関係をわかりやすく解説

今回は、「どうして人は宇宙に放り出されないの?」という疑問に答えていきます。
みなさんは、地球がものすごい速さで回っているのを知っていますか?赤道付近では、なんと時速1700キロメートルで自転しています。これは新幹線の何倍もの速さです!
でも、そんなに速く回っているのに、どうして私たちは地球にしっかり立っていられるのでしょうか。宇宙に飛ばされてしまう心配はないのでしょうか。
今回は、地球が私たちを外に飛ばそうとする力と、それを防いでくれる地球の引力についてわかりやすくお話します。
・地球の自転によって遠心力が働き、私たちを外に押し出そうとする力がある。
・地球の引力が遠心力よりはるかに強いため、私たちは地球に引き止められている。
・実際に感じる重力は「引力ー遠心力」で決まっている。
外に飛ばされる力、遠心力ってなに?

地球が回転しているとき、私たちは「遠心力」という力を受けています。
遠心力というのは、回る物体が外側に引っ張られる力のことです。たとえば、バケツに水を入れてグルグル振り回しても水はこぼれないですよね。これは水が遠心力でバケツの底に押し付けられているからです。
地球も同じで、自転している地球にいる私たちは遠心力によって外に押し出される力を受けています。
私たちを引きつけている引力

私たちを地球に留めているのが、地球の「引力」です。
引力は、地球が私たちを地球の中心に向かって引きつける力のことです。この引力の強さは、私たちの体重をほぼそのまま支えるくらい強力なものとなっています。
具体的にいうと、赤道付近で感じる引力は体重の99.7パーセント分。一方、遠心力は体重の0.03パーセント分しかありません。つまり、地球の引力は遠心力の何百倍も強いのです。だから、私たちは地球にしっかり立っていられるんですね。
重力の正体

実は、私たちが地球で感じている「重力」は、ただの引力そのものではありません。正確には、引力から遠心力を引いたものが私たちの感じている重力なんです。
つまり、地球は強い引力で私たちを引っ張っていますが、一方で遠心力はわずかにその引力を打ち消す方向に働いています。もし遠心力がなかったら、今よりほんの少しだけ体が重く感じるはずなんです。
たとえば、赤道では遠心力が一番強いため、地球の引力が少しだけ和らぎます。逆に、北極や南極では遠心力がほぼゼロなので、引力がそのまま働きます。その結果、赤道よりも北極・南極のほうが、わずかに体重が重くなるのです。
まとめ
というわけで、私たちが宇宙に放り出されない理由は、地球の引力が遠心力をはるかに上回っているからです。
地球はとても速く回っているのに、私たちが安心して暮らせるのは、この引力のおかげです。